「ルポ 資源大陸アフリカ ~暴力が結ぶ貧困と繁栄~」を読んで

年末年始に姉弟がロンドンでも集まることができたのですが、東京から来た兄に買って来てもらった「ルポ 資源大陸アフリカ ~暴力が結ぶ貧困と繁栄~」という毎日新聞社白戸圭一記者の著書を読みました。

白戸記者がヨハネスブルグ特派員だった時のアフリカ各地での取材を元に書かれた本なのですが、新聞記者らしい入念かつ大胆な取材と,すぐに引き込まれる文章構成のおかげで,非常に読みやすく二日間で一気に読めました。資源、途上国の貧困、先進国の繁栄、グローバリゼーション、そして暴力(紛争)という視点を交えて、アフリカの現実を如実に書き上げてます。

南アフリカの人身売買,それに関わるモザンビークからの不法入国者。ナイジェリアの油田と組織犯罪。石油によって富は生まれるがそれが人々の幸せにつながっているのか。コンゴ民主共和国(DRC)における虐殺,汚職,格差。鉱物資源と先進国に住み人々のつながり。スーダン・ダルフール地方における人道危機,取材中のスーダン政府の監視,そして白戸記者の果敢な決死の密入国取材。中国の油田開発と紛争のつながり。そして無政府状態のソマリアへ入国し,武装組織への体当たり取材。アフリカにおける紛争や問題の構図がわかりやすく解説してあり,アフリカに関わる全ての人に読んでもらいたい本です。私自身もDRCやソマリアで起こっていることはおぼろげにしか理解してなかったのですが,この本を読んでこれらの問題をより深く理解できました。

この本では暴力,組織犯罪,資源をめぐる紛争・汚職など,主にアフリカのネガティブな面に焦点が当てられています。これらの問題は日本のような先進国に住んでいると遥か遠くの地で起こっている出来事であり,感情移入や問題意識を持つのは難しいと思います。しかし,グローバリゼーションが進んだ昨今,白戸記者は「貧困と反映。(中略)私がアフリカ各地で見てきた現実は,両者が不幸にも『暴力』という架け橋によって結ばれ始めていることを示している」と綴り,解説として,いかにDRCのレアアースが先進国の最新ガジェットに使われており,ナイジェリアで採れる石油を日本がどれくらい輸入しているかを述べている。また,無政府状態のソマリアの海賊がいかに国際社会を揺さぶっているかを説明します。

私が現在住んでいるモザンビークでもアフリカトップの経済成長を遂げています。しかも最近はモザンビーク沖に巨大ガス田が発見され、この開発等によりこれからモザンビークでも資源をもとにした経済発展に拍車がかかると思われます。しかし同時に街には一日1ドル以下で暮らす人々が溢れ、首都から車で30分走れば電気も水道もない環境で教育も満足に受けられない人々が多くいるのも現実。格差というものがモザンビーク社会・経済に重くのしかかり,結果として南アフリカでのモザンビーク人の犯罪につながっている。またこうした経済格差が政治家や警官の汚職を呼び,結果として正直者が馬鹿を見るような社会になってしまっているのではないかと感じます。

これまでアフリカに興味のなかった人も,興味がある人も,国際問題に興味がある人もない人も,一度この本を手に取り,アフリカで何が起こっているのか,そしてそれが国際社会と,またあなたの身近な生活とどういったつながりがあるのか,どういう影響を及ぼすのかを知り,深く考えてもらえればと思います。

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